2014/05/27

第56回大阪カーテン技術会課題展示の件

大阪カーテン技術会の課題展示、アート・ケイで製作した物の解説です。

ちょっとしっかり書かないと誤解を招く内容ですので、こちらに書くことにします。

 

今回はキングストンバランス、それも繋ぎ目無し、が課題でした。

Facebookの個人ページでは

こんな製作中の写真を掲載していたわけですが・・・

これ縫製している人なら「あれ?なにミシンでなぞってるの?」
と思われたハズ。

実は分かり難いのですが、これ2枚重ね合わせていたのです。

この通り、袋縫いにしていました。
裾のカーブをすんなり綺麗に出す為に裏地付き・見返し状にしていた、というワケです。

実はこれポリエステルニット。


当日、持参を忘れてしまった型紙はこちらでした。


巾継ぎ無しということで横使い限定、バイアスに生地が取れずスワッグの角が立ってしまいます。

そこで実は以前から使ってみたかったニットを、と。

こんなコンテストを以前見て、ニットのドレープ性にホレボレしていたんです。
http://www.fdc138.com/jtc/history/history.html


もちろん丈の安定性が重視されるカーテンには不向きです。
我々カーテン縫製屋が扱う事は皆無。

でも上飾りですとか、適材適所がしっかりしていれば良い素材の1つだと思います。


今回選んだのはポリエステル100%のニット。




で、突然ですがこの話を読んで注意して頂きたいのは

「綿混のニットでは綺麗なスワッグのドレープが出ない」
ということです。

ニットならなんでもOKというワケではありません。
(よっぽど上質な物は良いです。ウールでしなやかな物など有りますがいわゆる高級品です)





織り・編み問わず、お手軽価格の生地でスワッグ、スムースなカーブを求めるなら長繊維必須です。

とはいえ、染めやプリントなど生地自体の色・デザインを求めるならポリ100%のニットは不向きかもしれません。綿の代わりにヴィスコース混の物などありますので、そちらをお勧めします。
但し、耐候堅牢度は・・・ひょっとすると2~3年でガッツリ色褪せるかもです。


そんな補足がしたくてこちらでの投稿でした。
スワッグのカーブは非常にしなやかで綺麗なカーブが出たと思います。(横使いなのに)
普段使わない素材のテストケースとしては上々だったかと。


ですが、しなやか過ぎてタイ部分の繋がりがイマイチでした。
折角の繋ぎ目無しなのに、これじゃ意味なしorz


その他写真は、こちらに掲載しております。
http://j-tapissier.com/