2015/11/23

JAPANTEX2015トークセッションのお話 - 後編

前回のお話、続きです。

ヒデキさんとの再会をブログに書いて、そのストーリーに当時、共感?してくれた人がいました。
トーソーさんのWithCurtainsを企画運営していらっしゃるOさんでした。

2011年のことです。

その年のWithCurtainsのデザインをdecoratorsのヒデキさんSHIOさんにお願いするという流れの中で、縫製を担当する所は?となったときに、あのブログがきっかけとなり私にオファーが。

それまで、全くdecoratorsさんのお仕事をしたことはありませんでした。
(よくそれで、あちらもこちらもやると決めたもんだと・・・今思い出しても冷汗モノです。(苦笑


結果↓

人生一度は生きるか死ぬかの瀬戸際ってあるもんです。って位の仕事でした。


こんな風に繋がっていったんですね。


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なんだか出来過ぎな話なので、もう1つ。

さて、なんでOさんがブログを読んでくれていたか、です。
そしてそれだけでは縫製をオファーされるまでにはなりません。



話は2008年までさかのぼります。

その年のJAPANTEX2008。

正直、この年を最後にJAPANTEXを見学しに行くのは止めようと考えていました。
毎年毎年、縫製分野での情報が少なくなるばかりだったからです。

「何か目的を持って」と調べていたら、セミナーが目に留まりました。
三塚春江さん、佐々木智美さん、木村幸子さんが御自身の仕事を紹介する
スタイリングプロのセミナーでした。


そりゃもう、目ん玉飛び出ましたよ。


今までレギュラーカーテンばっかり縫ってて、スタイルモノと言えばたまにやる出窓用のフリフリ。あとは大阪で縫い方だけ勉強してた昔ながらのスワッグちょっと位。


「なんじゃこりゃーーーー」ってセミナー終わってもすぐには席を立てませんでしたね。


で、大方の受講者が会場を後にした時にやっと席を立って受付に。
販売をしていた施工事例のCDアルバムを買いました。

「こんな世界があるんですね、ビックリしました。今日はありがとうございました。」

と、ボクが言ったんです。受付の方に。


それは、あとでとってもお世話になることになる、スタイリングプロ事務局の白川さんでした。偶然。
そしたらまた偶然、当時代表(現在は名誉顧問)の塩谷先生が通りがかり・・・

白川さんが塩谷先生を呼び止めてくださいました。そして
「あらアナタ縫製をやってるの、よかったら勉強しにいらっしゃい」
と、お言葉を頂けました。




ハイって言ったら行くしかっっ、と、2009年の1月から毎月の上京、勉強会参加が始まりました。





全くコネもなく、単身飛び込んだワケです。
「来てみなさい」って言われた。「ハイ」って言った。それだけで。


2回の見学参加の後、正式な入会には推薦人が2名必要でした。
たまたま、最初の見学参加でご挨拶出来た縫製も手掛けられている方2名にそれはお願いしました。

東和商会の河野さん
めいくまんの鈴木さん


・・・それも今思い出すと冷汗やわぁぁぁぁ(声が震える。



河野さんは、「推薦するのはいいけど、一年は休まず毎回出席しなーっ」とおっしゃいました。


ハイって言って毎月毎回出席しました。
結局2年間24回、京都や群馬の研修含む毎回。


そうすると、「遠くからなのに毎月エライわね~」と、本当にエライ人から褒めてもらえるようになりました。

遠いって、参加出来ないネガティブな条件を、褒めてもらえる、覚えてもらえる有利な条件に出来たんですね。

そんなワケでスタイリングプロを協賛してくださっているトーソーさんにも覚えて頂けるようになりました。


「遠いから」を、「遠いけど」に、です。



そんなこんなで・・・・



2009年のJAPANTEX、正確には隣のホームショーでのブースに東和商会さんのお手伝いとして、art-kの名前が載る事になります。

Japan Home & Building Show内で展示された、隣りで開催のJAPANTEXをPRするブースのお仕事でした。
art-kがJAPANTEXのお手伝い、展示会の仕事が出来た最初の出来事です。
それは、ひっそりと。







そのデザインリーダーをされていたのが、

ファブリックマジック(現ダルクデコ)の木村さちこさん。


あまりにアレコレ聞いて必死こいてるボクの姿を覚えてくれるコトになり・・・



さちこさんからREIKOさんへ


http://ameblo.jp/royal-garden102/

先日のBon Chicにも掲載して頂けたお仕事へと繋がっていきます。


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WithCurtains?JAPANTEX?Bon Chic?
人生のターニングポイントって、大きな仕事をしたからでしょうか?





2回のブログの中で、


・名刺の図案に興味を持ち、聞いた。
・些細な事でも覚えていた。
・こんなことがあってさ、と、ブログに書いた。

・良かったと感想を言った。
・ハイって言った。言ったらからには行った。
・遠くから毎月通った。

・つまずきながらも必死こいて仕事した。




些細なコトが、人生の岐路でした。
そして、その先が変わったり、交わったり。





そうして、2015年の11月19日に皆さんの前に立っていたのです。






大阪カーテン技術会で色々と学び吸収していた事。
礎をキチンと築いておいて、その上で、些細なきっかけを大切にした。

そんな決して大げさでない、ごくごく基本で当たり前のコトで今が成り立っています。


ボクの不在時でも仕事を滞り無くしてくれるスタッフに恵まれたこと。
何気ない毎日に感謝しています。


2015/11/21

JAPANTEX2015トークセッションのお話 - 前編


三宅利佳さん福澤涼さん、そしてボクの3人でお話をさせて頂いた中で、最後にボクが話題にしていた名刺の話です。

こんな内容だったんですよ。


2010年3月、今から5年以上も前のブログです。




ここから


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ご本人に「載せても良いよー」と、ご快諾を頂けましたので、載せちゃいます。
「時間の流れってホントに怖い…」と書いた話の続きでもあります。


以前から書きたかったのですが、年末の大掃除の折、昔頂いたお名刺の整理をしていたんです。
それまで頂いた沢山の名刺を手に取ったとき、ふと「あの方今どうしているのかなぁ?」と気になった方がいらっしゃいました。


7~8年前になるのかな?大阪の技術会に参加させて頂いた時にその方も見学にいらっしゃっていました。
大変気さくな方でお名刺を交換させて頂いたんですけど・・・


これ↓





名刺を見直すまで、名前は忘れてしまっていて顔もおぼろげにしか思い出せなかったのですが、この落花生の図案とそのお話は強烈に記憶に残っていました。


「なんで落花生なんですか?インテリアのお仕事なのに」
と、私が聞いたら
「まだまだなんですよ~。これから自分の殻を割って芽を出してもっともっと成長したいんです!」

って、そんなお話を名刺と共に頂きました。



それから10年近くが経って、名刺の方は今どうしているんだろう?、夢や目標は叶えられているのかな、なんて気になって…

ふと、お名前を見直したんです。


に ・ し ・ が ・ き ・ ひ ・ で ・ き


・・・ちょ・・・知ってる・・・・芽が出てもなにも、、、









http://www.decorators.jp/index.html

ヒデキさんじゃんっっっっ!!!



いやー。全く面識がなくってわからなかったんですが…



当時すでにカーテン屋さんとして成功されていたんですよね?でもさらりと、「自分は種でまだ成長」って、そういう気持ちで、物事に取り組んでいらっしゃったから今のヒデキさんなんだと思います。
目指したい事に向かって進んでいく、そのお手本というか、もう、答えというか…を見せて頂いているような気がします。


ご本人曰く

『殻を破んなきゃ』

そういうキモチを名刺に込められていたそうですよ。


時間の流れって、ホントに怖い…そう思うから余計、将来どうしたい?って事や、それに向かってコツコツ一歩でも進む事を大事にしたいですね。
自分がこう書くと、なんだかストイックな感じ?「楽しく」ってのも大事なキーワードですよね。



そんな事を考えさせてもらえるご縁に巡り会える事に感謝です。がんばろ。




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ここまで


2009年のINTORNATIONAL WINDOW FASHION VISION DESIGN COMPETITIONで、REVOLUTIONARY部門1位を取られて話題になってた時のブログでした。

当時、スタイリングプロに参加させて頂いて知り合えた頃の出来事で、当然お仕事でご一緒させて頂くなんてことは想像もしていませんでした。



名刺を頂いて7~8年後に再会し、

そのことをブログにし、

そして、さらに5年後、





落花生のお話から10年以上が経ち、皆さんの前に。






階段を一段一段、何年もかけて。







その間のお話は、また後ほど。

2015/09/13

一時休止・・・

神戸のイベント、デザイナーショーハウス用製作物の仕事が動きだし、更新が止まってしまいましたorz




2ブースの縫製を受け持っています。

関西方面の方は是非。
https://www.facebook.com/DSH.IFDA

落ち着いたら、更新は再開しようと思っています。

2015/08/27

インテリアデザイナーの住む家 投稿祭その6-4

「インテリアデザイナーの住む家」トーソー出版さん

D'Arc Decoさんの56ページ、その4です。


こちらもトリッキーな仕様を織り交ぜた物。
フラットのコーニスバランスの下にスワッグバランスとなっています。


2種のバランス、合体前の状態。

こちらのコーニスバランス、綿入りです。
しっかり前面へ膨らみを押し出すために、通常は板+ワタが中に入っています。

今回は若干の膨らみで良かった事、またサイズも二間と大きかったので板の代わりにインターフェイスを入れています。




~余談で。
インターフェイスとワタの組合せで時々、前後にカーブさせたコーニスが出来ないか?とお問合せを頂きます。フラットに作って施工時に曲げるという趣旨なのですが、それは出来ません。

生地物で厚みの有る場合、内外周の差はとてもシビアなんです。
ほんの数㎜の厚みでも、曲げた瞬間、生地に大きく響きます。

上記のフラットコーニスをカーブさせてみた写真。

外側は足りない、内側は余る、そんな歪みが出てしまいます。



さてこちらのスワッグも若干ラフにお仕立てです。
崩しの色気なんて出せたら最高なのですが・・・


中央は、いわゆるオニオンスワッグと呼ばれている物。正式な名称はちょっとわからずです。





カスケード(テール)もちょっと変則的な物。


型紙はこうなっています。

角度がこれ以上になる場合は、切り込みではなく扇状に折り目を付けるやり方になります。
その場合は、糸目に対して角度のついた折り目になるので、仕立ての難易度は格段に上がってしまいます。また経年での型崩れの心配も出てきますから、芯地を接着しての対応などとなります。







さて、こちらのフラットとスワッグの組合せ。

生地のみでは、

スワッグのテンションが斜めに掛かりますので、上部のフラットバランスはこのように内側に引っ張られてしまいます。

そこでこのような金具を用意。

こちらもカーテンホルダー同様にステンレスの専用設計、こちらのデザインに合わせた物。
ちょっと分かり難いですが、裏側に仕込んでいます。


骨組みによる補強が無いと、このデザインは出来ません。
サイズが小さければ、端から端まで1本の棒でもOKです。シェード用のウェイトバーの部分を想像して下さい。




ここまで組み上がったらロープで加飾していきます。

デザインを手元に置いて手縫いでの取り付けになります。





そんなこんなで、出来ました。
後に見えている時計の針は・・・モザイク入れときました(笑






デザイン的に繋がっていても、実際に繋げて作るのは非常に困難な部分、例えばこちら

上部のハコヒダはカスケードと一体でデザインされていますが、繋がりの部分にコサージュなどを置いて頂ければ、無理に一体で作る必要が無く、とても有り難いです。

ハコヒダ部分は、全く別のパーツを後乗せでハコヒダのように見せています。







上飾りの話題ばかりでしたので。


シアーの裾は大きくシングルに折った物。
裾の部分は筒状になっています。生地の端をブレードで隠しているという仕様です。



タッセルは、生地現物から色合わせしたハンドメイドの一点物。
http://surreytassel.com/
サリータッセルさん作です。

2015/08/20

インテリアデザイナーの住む家 投稿祭その6-3

「インテリアデザイナーの住む家」トーソー出版さん

D'Arc Decoさんの56ページ、その3です。

前回はホルダーの話で終わってしまいました。
それを使用したバランスのお話です。



ホルダーの形に合わせて、ピンワークも立体になります。
今回にだけ使用する物ですから、こういった場合はダンボールを実寸そのままに組んで、取り付け場所に見立てます。
ダンボールですから丈夫でしかもピンが刺せる。お勧めです。(縫製屋さん向け

上の写真は一度キッチリ作った試作。
本番は全体のイメージの為、ここから若干「崩し」ています。


カチっと作らずにラフに「崩し」たスワッグを、とのリクエスト。

いきなり上のスワッグを作ろうとはせずに、

最初にかちっと作っておいてから、
部分的に崩していきます。


試作の後、本番へ。

上手く行ったようですが、実は・・・

風通織りのシアーだったので、ほっとくと生地が暴れる暴れる(笑

風に煽られたりすると、この爆発状態に・・・

生地を押さえ込むために、チョット小細工を足してお納めしています。
(タグピンで要所を繋げていっただけなのですが。)

バイアスに取ればどんな生地でもOKというワケでは無いです。ご注意下さい。





カスケードの型紙試作も何種類か。
細部のデザインも入念に打ち合わせしながら決めていきます。

とはいえ今は写真を撮ってメールでやり取りが出来るのでありがたいですね。



出来上がったカスケード。
コサージュが付きます。
これだけ並べると壮観です。



コサージュはシュシュ状のオビを作り、ぐりぐりと巻いていきます。




これら紹介している物は、現場の状況を的確に判断して構造上の問題をクリアしながらデザインされた物です。壁、下地あってのデザインになります。


前回の、カメオを加工したカーテンホルダー設計の時に書いておくべきでした。
この人のバックアップが無ければ、こうすんなりとコトは運べません。


ギリギリな施工で本気の +PLAN サイトー さん。
現調と取り付けを担当して頂きました。

こちらの窓はらせん階段の吹抜。
足場が組めず大変なコトになっています。


彼のポジションが一番スタイルカーテンの供給側で足りないポジションだと思います。

キチンと現場の状態を把握する事は、例えるなら方眼付きのまっさらな紙。
現場の状態がうやむやなままなのは、水面に描くようなものかもしれません。

現調、デザインを描くより前に、必ずクリアにしておかなければいけない部分です。



デザイン、製作、それに現場(施工は元より下地等の把握から)
紹介している施工事例に必要な3つの役割です。



以上です。