前回の続きです。
オープンスワッグの端の処理途中で終わってしまっていました。
途中で切れているスワッグの端が内寄りしないようにする金具を前回紹介しました。
同じ金具を今度は正面からリターン側へ折り込まれている場所にも取り付けます。
トーソーさんのニューバランス付属の補助金具は、今回使用しませんでした。
角ギリギリにはコーナージョイントの都合で付けられないことと、曲がって欲しくない方向への
強度が心配だったためです。
こちらが、2つの金具でカタチを作ったスワッグのリターン部分。
ストレートバランスに厚みがあり尖った角は出ていませんが、柔らかなボイル生地の風合いには
こちらの方が合っていると思います。
最終的にはテールが一番上に乗り、この状態になります。
反対側も同じように。
そうして出来上がったストレートタックバランス、オープンスワッグの上飾り。
シアーで作った飾りは、裏側まで見えてしまうので本当にごまかしが効きません。
裏側の始末、ヒダを取る量の差分まで全て丸わかりになってしまうので、大変でした。
「あれ・・・いつものヒダの取り方、裏側はこんな不均等なんだ。」と・・・
今回このオープンスワッグを作らせて頂いて、普段の自分の癖、見えてなかった部分が
とてもよく分かり・・・もちろん修正してレベルアップが出来ましたよ。
デザインを担当なさった方から(最後にご紹介させて頂きますね)
「お役に立てるのならスケッチをどうそご活用下さい」とお話を頂けましたので、以下。
スワッグバランスはヒダを取る場所の割合やサイズでデザインする方の「個性」が出ますよね。
縫製所の「個性」はヒダの量や美しい曲線の出し方などでしょうか?
(ご指定頂ければ、ヒダの量・倍率も柔軟に対応できます。)
普段、必死になってスワッグをお作りしていたわけなんですが、先日お聞きしたのが、
「テールってデザインする人の個性がでるよね。」
というお話。
正直、あまり今まで気にしたことが無く、全体の寸法とヒダ数で漫然とお作りしていました。
確かに、テールの全体に対する割合、裾の角度やヒダ数など、どれも全体の印象を
大きく変えます。一般的なスワッグバランスの作り方だと、各寸法を柔軟にお作りする
ことは難しく、似たり寄ったりな形になってしまいます。
融通を利かせにくいスワッグではなく、テール部分で全体のイメージを操作するというのは、
とってもデザイン、縫製、双方にとってスムーズで理にかなったやり方の1つかもしれません。
そんな事を考えていた時に頂いたこちらのスケッチ。
私) 裾部分、コレ直線じゃないデスヨネ・・・?(ヒダの頂点の分布が不均等)
デザインされた方) あら~わかってくれた~?♪
私の中の人) ボイルで曲線とか大変デスヨー
デザインされた方) 女性的。お洋服のイメージね。柔らかく。ふんわりと♪
私) ハイ (中村文昭氏風 0.2秒で)
この写真では、一番左のヒダが外側に折れてくれていませんが、くいっと折れば、ほぼ再現。
イメージをカタチに!!!
折る量や角度、場合によっては曲線を描かせる事によって、テールも色々な表情を見せます。
テールの制作の面白さも、今回再発見です。
紙をポキポキっと折って形を色々作ってみると、良いかもです。
そうそう、今回お仕事を頂いた大御所
木村幸子さんhttp://www.fabric-magic.com/
まだまだ続きます。