完成写真・デザインについては、ヒデキさんのブログをご参照下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/petbottol/52376534.html
さて、ヒデキさんのデザイン解説に合わせて縫製・製作のお話を書いていきますが、
いきなりのMANASさま。濃いいのどーーーんっといきますよー。
さて、今回のお仕事は、数字で出せない物が多かったです。
カーブや柄重視の場合、全体の輪郭・バランスをイメージ通りに作るなら、
実寸の型紙を作ってもらって、それを元に作るのが確実。
この写真の型紙は、ヒデキ&SHIOさんがご自宅で実際に窓に下げながら型を出した物。
透かせて柄位置もキッチリ指定です。
ただレールの取り付けで思わぬ罠があり、構造を把握仕切れなかった為、手間取って完成が
搬入当日のAM4:30になるという衝撃の新事実・・・
この時間から出発準備開始、お昼に国際フォーラム到着と。
ヒデキさんの旅行日記かyoって感じに(苦笑
皆さんにインパクト大だったあのバロックバランス。3Dバージョン・・・
その解説をしていきます。
使用した土台はフォーレックス。低発泡塩化ビニールシート。
450mm x 900mm程度ならホームセンターでも購入が可能です。
今回使用するのは、とにかくおっきいので、Netで長尺物を手配しました。
http://www.trade-sign.com/
サインシティ様
これ水に浮く軽さなんですよね。(比重0.7)
しかも熱軟化温度が低い。(50℃程度)
ちなみに自己消火性有、接着材との親和性も高いです。(塩ビ用を使用下さいね)
アイロンの蒸気で曲げて固められるんです。あのカーブを出すバランスの素材にぴったり。
アクリルや普通の塩ビ板では、曲げにくい&倍近く重いです。
ちなみにコレ、水回りの壁下地にも使われるようです。内装資材よ!
写真は型紙を元にして切り出した所。
カットは、超音波カッター(工作用)を使いました。今回大活躍。
昔は20万とか30万とかしたカッター。今は3万円ちょっとで購入が可能です。
便利な世の中で助かります;;
さて、壁面への取り付けはニューバランスを使用。
トーソーさんの展示会というのももちろんなんですけど、色々自由度が高くて
今回、この薄さにかなり助けられました。
前後のカーブを見るために借り止めされた帯状のフォーレックス
レールとの接合は薄手の鉄板をペンチで曲げて自作です。
好きな角度に出来るので、これも重宝。
“無ければ作れ”が今回のお仕事で一貫したテーマに。
仮組
レール2本の上側だけブラケットを規定数。
下側のレールはカーテンをまたぐ感じで両端だけブラケット。
上下レールをしっかり固定させるため、筋交いを入れています。
金具の固定は、今回リベット(ブラインドリベット)を使用。
本来、展示会用ならその後の処理の簡易さも大事なので、この仕様はナンセンス。
でも、時間無かったのよ・・・作業スピードは一番速いです。
あと、後ほど出てくる作業で、ブラインドリベットでの取り付けがベストだったので。
トーソーさんごめんなさいー。
本体の土台裏側と、綿を乗せる表側、枠部分とフォーレックスを切り出していきます。
生地の境界部分は、重なりを加味して予め削っておきます。
写真真ん中に見えるソーメンみないなのが、削った部分。
超音波カッターだと、やりたい放題です。
土台部分と表の綿入れ部分のシートを重ねた所。
生地
↓
綿・スポンジ
↓
表側土台
↓
表生地巻き込み
↓
裏側土台
↓
レール
断面は表面からこの順番に列ぶワケです。
生地・スポンジを張るので、裏側からしか取り付けの作業は出来ません。
生地を張ってからでは、ボルトナットが入れられないんですね。
そのため予め穴位置を決めてワッシャーを表側に仕込んでおきます。
生地を張った物は、裏からこの穴にブラインドリベットで土台と固定するという
手順をとりました。
取り付ける物が柔らかい樹脂なので、リベット直でもいけません。
平面な物なら接着剤や両面テープ(強力なの)でもOKなのですが、曲面の接合なので・・・
中央のサークルは発泡スチロール&ウレタンで肉付けをしたので、予めボルトを仕込んでいます。
ワッシャーは、発泡スチロールなので沈み込まないように大きめの物を。
もうこのあたりでおなかいっぱいですよね。
生地はまだか?って話ですが、手間が掛かるデザインですので、説明も手間が掛かるです(苦笑
さて、肉付けの為のスポンジを張っていきます。
細かいデティールに拘って、全て面取。
こんな風にまるーく仕上げます。
この床を見て、床屋さんに行くのをすっかり忘れていた事を思い出しました。
ええ、行けませんでした。。。もっとね、良い格好してトークショー出たかったですよ...orz
土台は2mmのシート。表側は1mmのシートを使いました。
アイロンの蒸気でこうして曲げられるんです。
スポンジで肉付けされた土台。やっとらしくなってきました。柄合わせのクオリティーとかですね、ベーシックなテクニックも見てあげて・・・(切実
こちらは、平はぎにしてあります。こういった貼り合わせ場所のジョイントは、
今のカーテンで一般的なインターロックでのはぎ合わせでは、表にひびいちゃう。
縫い方・巾継ぎの方法については、こちらを参照下さい。
http://www.nissouren-db.nissouren.jp/kouhou-kougu/curtain/ct04/ct04-06.php
日装連データベース
凸型のせり出しならこんな事はしなくていい、生地のノリ着け。
凹部分があるので、そのままでは浮いてしまうんです。
かといって、ノリでは生地にしみてしまいますし、両面テープでは表に境目がひびいてしまいます。
写真はポリアミドのシート。これプリエフ加工で使われる物です。
今回、ご無理を言って、ユニテックパロマ様からご提供を頂きました。
このシートが無ければ、このバランスとスミノエ様の展示品は出来なかったんですよね。
ユニテックパロマ様・トーソー様、お客様が喜んで頂ける最善の方法にご英断を頂けました事
心よりお礼申し上げます。ほんと助かりました。
ユニテックパロマ様
こうしてアイロンで付ける事が出来るんです。
縁取りの部分とか、帯状の生地をカーブさせて付けるのを思いつきそうですが、
生地を曲げる、というのは、とっても無理があるので、平面分の面積・要尺が必要です。
今回はこうしてふんだんに生地を提供頂けましたので、最高のクオリティ・手法で製作を行えました。
展示会のお仕事ゆえ・・・縫製屋冥利に尽きます。
内側・外側の貼り付け。これも手間なんですよぉ。
生地の固定は、一般用ではない強力な両面テープで行っています。
今の両面テープは対象素材別に様々な種類・厚みが出ているので、
こちらも便利な世の中で有難いです。
カーテン縫製というより、椅子張り、巨大なカルトナージュ製作といった感じです。
ここまですんなり。でもないんですが・・・トラブルの事例も紹介しましょう。
生地を張ったら、曲がらねぇぇぇぇぇぇぇ!!!の、図。
間にスポンジ入れているからイケルと思ったんですけどねぇ。;;
カンで曲げたら、今度はちょっとしたカーブの誤差で生地がヨレるぅぅぅぅ!!の図。
orz
これはイカンということで、正確なカーブを描く土台を作ります。
段ボールでそのものズバリな土台を作って。
土台のカーブに合わせてフォーレックス+スポンジの土台に生地をアイロンで貼り付け。
正確なカーブをつけた状態で生地を張らないといけません。
そしてブラインドリベットで裏側の土台に取り付けます。
先にレール側固定の金具を付けておく必要がありますね。
このあたりの取り付け手順は詰め将棋みたい。
縁の角、前後カーブの折り目もデザインを忠実に再現ですよ。
レールまで取り付けて持ち込む(じゃなきゃ運べない・・・)
木の板にレールごと取り付けて持ち運び安いように。
板にはビス間の寸法を記載して、取り付け時にわかりやすい様に。
そうして
この巨大カルトナージュ、バランスが完成したのでした。
すっごく手間なのわかって頂けたでしょうか・・・(ノ_・。)
さてカーテン側。
ワタ入れした裏地付き仕様でした。
夜中に見ると布団が恋しく。むしろこのカーテンで寝てやろうかと(こらこら
筒状にした生地をボックスヒダにしたフリルにしています。
真ん中1本たたいているんですね。
写真は右が採用された物。
左は試作の2種貼り合わせ。
ヒデキさんは白色がチラリと見えるフリルにしたかったようなんですけど、
生地の都合上、厚みが出過ぎて却下となりました。
レースの切り替え部分はトリムをオン。
これ、ぱっと見は普通のトリムですけど、2種類のトリムをサンドイッチにしています。
トリムFA
ブレードSA
この2つを重ねているんです。
組み合わせでバリエーションはとっても増えますね~。
以上です。
この調子であと9社分掲載とか、ウィズカーテンとの格闘まだまだ続く・・・
これ水に浮く軽さなんですよね。(比重0.7)
しかも熱軟化温度が低い。(50℃程度)
ちなみに自己消火性有、接着材との親和性も高いです。(塩ビ用を使用下さいね)
アイロンの蒸気で曲げて固められるんです。あのカーブを出すバランスの素材にぴったり。
アクリルや普通の塩ビ板では、曲げにくい&倍近く重いです。
ちなみにコレ、水回りの壁下地にも使われるようです。内装資材よ!
写真は型紙を元にして切り出した所。
カットは、超音波カッター(工作用)を使いました。今回大活躍。
昔は20万とか30万とかしたカッター。今は3万円ちょっとで購入が可能です。
便利な世の中で助かります;;
さて、壁面への取り付けはニューバランスを使用。
トーソーさんの展示会というのももちろんなんですけど、色々自由度が高くて
今回、この薄さにかなり助けられました。
前後のカーブを見るために借り止めされた帯状のフォーレックス
レールとの接合は薄手の鉄板をペンチで曲げて自作です。
好きな角度に出来るので、これも重宝。
“無ければ作れ”が今回のお仕事で一貫したテーマに。
仮組
レール2本の上側だけブラケットを規定数。
下側のレールはカーテンをまたぐ感じで両端だけブラケット。
上下レールをしっかり固定させるため、筋交いを入れています。
金具の固定は、今回リベット(ブラインドリベット)を使用。
本来、展示会用ならその後の処理の簡易さも大事なので、この仕様はナンセンス。
でも、時間無かったのよ・・・作業スピードは一番速いです。
あと、後ほど出てくる作業で、ブラインドリベットでの取り付けがベストだったので。
トーソーさんごめんなさいー。
本体の土台裏側と、綿を乗せる表側、枠部分とフォーレックスを切り出していきます。
生地の境界部分は、重なりを加味して予め削っておきます。
写真真ん中に見えるソーメンみないなのが、削った部分。
超音波カッターだと、やりたい放題です。
土台部分と表の綿入れ部分のシートを重ねた所。
生地
↓
綿・スポンジ
↓
表側土台
↓
表生地巻き込み
↓
裏側土台
↓
レール
断面は表面からこの順番に列ぶワケです。
生地・スポンジを張るので、裏側からしか取り付けの作業は出来ません。
生地を張ってからでは、ボルトナットが入れられないんですね。
そのため予め穴位置を決めてワッシャーを表側に仕込んでおきます。
生地を張った物は、裏からこの穴にブラインドリベットで土台と固定するという
手順をとりました。
取り付ける物が柔らかい樹脂なので、リベット直でもいけません。
平面な物なら接着剤や両面テープ(強力なの)でもOKなのですが、曲面の接合なので・・・
中央のサークルは発泡スチロール&ウレタンで肉付けをしたので、予めボルトを仕込んでいます。
ワッシャーは、発泡スチロールなので沈み込まないように大きめの物を。
もうこのあたりでおなかいっぱいですよね。
生地はまだか?って話ですが、手間が掛かるデザインですので、説明も手間が掛かるです(苦笑
気分を変えて、ちょっと寄り道。タッセルです。
ヒデキさんが直接生地を切って型を指示した物。
写真は袋状にした繋ぎ目部分。ここら辺の柄合わせなど、ベーシックな部分もホントは見て欲しい。
アート・ケイは奇抜な縫製をする会社では、ホントは無いんですよ。
さて、肉付けの為のスポンジを張っていきます。
細かいデティールに拘って、全て面取。
こんな風にまるーく仕上げます。
この床を見て、床屋さんに行くのをすっかり忘れていた事を思い出しました。
ええ、行けませんでした。。。もっとね、良い格好してトークショー出たかったですよ...orz
土台は2mmのシート。表側は1mmのシートを使いました。
アイロンの蒸気でこうして曲げられるんです。
スポンジで肉付けされた土台。やっとらしくなってきました。
こちらは、平はぎにしてあります。こういった貼り合わせ場所のジョイントは、
今のカーテンで一般的なインターロックでのはぎ合わせでは、表にひびいちゃう。
縫い方・巾継ぎの方法については、こちらを参照下さい。
http://www.nissouren-db.nissouren.jp/kouhou-kougu/curtain/ct04/ct04-06.php
日装連データベース
凸型のせり出しならこんな事はしなくていい、生地のノリ着け。
凹部分があるので、そのままでは浮いてしまうんです。
かといって、ノリでは生地にしみてしまいますし、両面テープでは表に境目がひびいてしまいます。
写真はポリアミドのシート。これプリエフ加工で使われる物です。
今回、ご無理を言って、ユニテックパロマ様からご提供を頂きました。
このシートが無ければ、このバランスとスミノエ様の展示品は出来なかったんですよね。
ユニテックパロマ様・トーソー様、お客様が喜んで頂ける最善の方法にご英断を頂けました事
心よりお礼申し上げます。ほんと助かりました。
ユニテックパロマ様
こうしてアイロンで付ける事が出来るんです。
縁取りの部分とか、帯状の生地をカーブさせて付けるのを思いつきそうですが、
生地を曲げる、というのは、とっても無理があるので、平面分の面積・要尺が必要です。
今回はこうしてふんだんに生地を提供頂けましたので、最高のクオリティ・手法で製作を行えました。
展示会のお仕事ゆえ・・・縫製屋冥利に尽きます。
内側・外側の貼り付け。これも手間なんですよぉ。
生地の固定は、一般用ではない強力な両面テープで行っています。
今の両面テープは対象素材別に様々な種類・厚みが出ているので、
こちらも便利な世の中で有難いです。
カーテン縫製というより、椅子張り、巨大なカルトナージュ製作といった感じです。
ここまですんなり。でもないんですが・・・トラブルの事例も紹介しましょう。
生地を張ったら、曲がらねぇぇぇぇぇぇぇ!!!の、図。
間にスポンジ入れているからイケルと思ったんですけどねぇ。;;
カンで曲げたら、今度はちょっとしたカーブの誤差で生地がヨレるぅぅぅぅ!!の図。
orz
これはイカンということで、正確なカーブを描く土台を作ります。
段ボールでそのものズバリな土台を作って。
土台のカーブに合わせてフォーレックス+スポンジの土台に生地をアイロンで貼り付け。
正確なカーブをつけた状態で生地を張らないといけません。
そしてブラインドリベットで裏側の土台に取り付けます。
先にレール側固定の金具を付けておく必要がありますね。
このあたりの取り付け手順は詰め将棋みたい。
縁の角、前後カーブの折り目もデザインを忠実に再現ですよ。
レールまで取り付けて持ち込む(じゃなきゃ運べない・・・)
木の板にレールごと取り付けて持ち運び安いように。
板にはビス間の寸法を記載して、取り付け時にわかりやすい様に。
そうして
この
すっごく手間なのわかって頂けたでしょうか・・・(ノ_・。)
さてカーテン側。
ワタ入れした裏地付き仕様でした。
夜中に見ると布団が恋しく。むしろこのカーテンで寝てやろうかと(こらこら
筒状にした生地をボックスヒダにしたフリルにしています。
真ん中1本たたいているんですね。
写真は右が採用された物。
左は試作の2種貼り合わせ。
ヒデキさんは白色がチラリと見えるフリルにしたかったようなんですけど、
生地の都合上、厚みが出過ぎて却下となりました。
レースの切り替え部分はトリムをオン。
これ、ぱっと見は普通のトリムですけど、2種類のトリムをサンドイッチにしています。
トリムFA
ブレードSA
この2つを重ねているんです。
組み合わせでバリエーションはとっても増えますね~。
以上です。
この調子であと9社分掲載とか、ウィズカーテンとの格闘まだまだ続く・・・