2011/09/18

TOSO-WithCurtains2011:シンコールさま

シンコールさんの展示です。


デザインの解説は、ヒデキさんのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/petbottol/52377193.html
こちらをご覧下さい。






ツイッターでの製作チラ見せ宣伝(こらこら)で大反響だった(のか?)金網スワッグ。
こちらのオープンスワッグでの使用でした。

このコサージュ付きスワッグですね。


こちらは試しにそのまま付けたところ

見ての通りクタンクタンにお辞儀して形が崩れてしまいます。


そこで登場の「金網」
鶏か何かを岐阜で囲うハズが、何故か東京国際フォーラムに・・・


伸ばしてクセを取り、折り直し。
この編み方の金網は、針金を絡ませて編んでいるので、絡ませている部分を回す要領で
簡単に折ることが出来ます。針金自体を曲げているワケでは無いんです。


広げてスワッグの形に・・・しようとしますが・・・

1枚そのままでは出来ませんでした。


スワッグの谷に合わせてバラしてそれぞれ組むことにしました。
こちらの方が、1部品ごとに分けられて、歪みを少なくすることが出来ます。


スワッグバランスとセットにした所。糸で固定させてあります。
ぽんと置いても形そのままのスワッグバランス出来上がり。
(金網の切り口は生地を引っかけないように全て処理していますので、結構な時間掛かっています)

これ、キッチン用品の水を切ったりする「ざる」を見てひらめいたんですよ。
(平織り状態の網をのばしてざるの形にしてるのを見て、です。)

あとは、生地越しに金網へコサージュを糸で固定させていったワケですね。








こちらのレース側のコサージュ取り付けもヒトヒネリしていました。

薄手の生地へベルベット製のコサージュですから重さが心配。

コサージュの反対側に力布を付けて、それに縫い込んでいきます。
ただし、レースですので、あまり目立たない様にしなければいけません。
小さい生地をちょこちょこと付けていく事になるのですが、数が多いので・・・


小さいハトメ用の穴開け機を使います。
普段は開ける方が要るのですが、今回は開けた後の切れ端が大活躍。

布製の糊付き芯地を数枚重ねてポコポコと穴を開け、極小の力布を簡単大量生産。
これハサミで1枚づつ切っていったら、それだけで日が暮れます・・・
写真の丸い生地、切れ端をレースの裏側にくっつけてコサージュを縫い込んでいきました。





写真では分かり難いですけど、丈もピッタリだったんですよ。
派手な製作もしていますが、この辺の地味ながら確かな技術も見てあげて・・・





コサージュの配置でのやり取りは、ヒデキさんのブログにも書いてありましたが、
現物をdecoratorsに持ち込んで、配置。
写真を撮って、送り返してもらい、それを元に縫い付けていきました。



こんな写真を送ってもらってお作りしたんですね。

ところでヒデキさーん、47番と48番が入っていませんでしたよー?(写真参照)
シビアな仕事にこうしたスパイスを利かせてくれるのが、彼らの成功の秘訣かも知れませんね(笑)




~ここでちょっと話を変えて~

皆さんにお願いなんですけど、こういった柄の場合、サークルを切ってでも白い所で終わらせるか、
別のサークルがちょっと顔を出してでもサークルが切れないようにするか。
そういった判断はデザインの都合ですので、なるべく指示してもらえると助かります。
縫製側は、どっちにしようかと迷わなきゃいけないんです。

あとこういった微妙な位置関係の場合、厳密に数字で指定されると、ちょっとしたリピート狂いから
デザインされた側が想像していた位置と全くズレて製品が出来上がってしまうことがあります。
柄を重視して数字で示す場合、基準にした柄・数字の意味まで記してもらうと、リピート狂いが元の
デザイン違いといったトラブルを防ぐことが出来ます。







さてこちらは、サークル部分のみキルティング加工を施しました。


柄に合わせて丸く切ったワタを入れ、サークルの柄部分だけ浮き出るエンボス加工です。


写真は裏側。直接裏地と貼り合わせでは、生地の水平直角に不安があったので、
裏地には手を入れず、表地の裏側に1枚当て布をして袋を作り、その中にワタを入れました。
なるべく薄く仕立てたかったですので、当て布はボイルです。



裾の部分は、ストライプ部分の柄を生かして逆ハコにヒダをつまんでいます。

が、


裏地はフラット。
ヒダを取ったりフラットだったりをWを揃えて1つにまとめるのも、地味に神経を使うんですよ。


と、あれこれと手を掛けてお仕立てしていました。





1窓にこれだけの生地種類を使いました。
種類だけなら家一件分かも?(苦笑


裾部分に使った大きなくるみボタン。写真手前。
こちらで購入が可能です。
http://www.kurumibutton.com/
くるみボタン.コム様