アスワンさんの展示解説です。
デザインの解説はヒデキさんのブログこちらをご参照下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/petbottol/52387439.html
最初デザイン画を見せて頂いた時にぱっと思いついたのが、こちらの書籍
TOSOさんのトップトリートメントブック 1995年初版
ビショップや
コンチネンタル1とか、サモーサポールって何?(涙
ビショップキットって、昔あったんですねー
ヒデキ&SHIOさんがイメージされた物は違うかもなのですけど、
自分は、今回「過去のTOSOさんで提案されたスタイルを復刻」
これで行こうと思いました。
ぱっと出来上がりのイメージは出来た物の、部材はありません。
無ければ作れ、再びです(苦笑
まずは、なんと言ってもこのデザインの胆、ビショップの作成です。
過去のスタイルそのままでは面白くないですし、ヒデキ&SHIOさんは
「ボリュームを出したい」とのことでしたので、
裾に向かって生地を斜めに足し、ボリュームが出るように型を取りました。
ワイヤーを通してつり上げているだけです。スタイルのお仕立て自体はさほど難しくありません。
生地の倍率は裾部分のWで3倍程度見れば良いでしょう。
(今回はさらに両端に三角の生地を足していますので、裾部分で5倍近い生地を使っています)
上部は写真を取り忘れてしまいましたが、TOSOさんのフラットフック(装研さんOEM?)は
フック部分に輪が作ってあるので、そのフックの輪にキーリングを付け、つり上げ用の
コードを引っかけてあります。お手軽。
ビショップを束ねるワイヤーは、パニエ用の強力な鋼線ワイヤーを使いました。
これ、ホントは別の場所に使う予定だったのですが、堅すぎで使えず。
こちらのビショップにちょうど良かったです。
裾部の膨らみはワタを入れてボリュームを出しました。
実際には、現地でさらにビニール袋を入れて膨らみを出されていたようです。
(セッティング時に倒れて、クロークルームの影でこっそり寝ていて知らなかったのは内緒...orz)
さて、ギャザーバランスです。こちらの製作はちょっと面白かった。
普通にギャザーテープを使っては、カチカチのヒダが出てしまうので、
今回は、パイプ通しの要領で柔らかい、それでいてきゅっと締まったギャザーを。
写真のように、段ボールを芯に使ったパイプ通しにしています。
ここでもFRPポール大活躍。写真は裏側ですね。
以前にも書きましたが、スポット展示でなければ、樹脂製段ボールを使うのが良いと思います。
こうして独特のギャザー部分が完成。両端の処理には、ちょっと工夫が必要です。
袋状にしてあるので、そのままでは芯の板から外れて広がってしまいます。
裏側から段ボールごとカーブ針で縫い付けていました。
さて、問題はギャザー上下に付く黒ベルベットの縁取りフレームパイピング。
あ、これ芯には建材の高発泡ポリエチレンフォームを使いました。
シーラントの元に入れて痩せや割れを防ぐ物ですね。
適度な弾力があるので縫製でも使い易いです。
裏から縫い付けるにしてもミシンは使えません。
(表に縫い目が出てしまいますし、なによりギャザーがたたかれて寝てしまいます)
裏から纏るにしても、表のギャザーをぐっと囲うような形にしたいので、イマイチ。
ベースになる板を使って、パイピングを挟み両端はアルミのアングルを使って前に押し出す
という構造にしました。
これ黒の生地と黒のアングルだから良かったんですよね。他の生地ではアングルが目立って
おかしかったかもしれません。
ベースになる板は、フォーレックス(軽さと強度のバランスで)
板とアングルをネジで固定します。
このままでは、ボルトの足がパイピング取り付けの邪魔になるので
スパークスパーク
余分な足をグラインダーで削り、なるべく低く抑えてしまいます。
足の短いネジが手に入れば、これはもちろんしなくても良いです・・・はい。
全てセットされた所。
アルミのアングルでパイピングが綺麗に前へ押し出され、ギャザーを囲う形に出来ました。
ベース部分の板と各生地接合は、塩ビ用の強力両面テープとアクリル系接着剤です。
生地の接着にとっても使いやすい(量もたっぷりなパーフェクトジェルグルー)
リボンは接着芯地を使い、ぱりっと型崩れしないように。
このようにそれぞれ帯状の部材を作って組み合わせています。
これ、ビショップとギャザーバランスの繋がり部分です。
実は、ギャザーバランスはレールに付けているのではなく、ビショップの前面にマジックテープで
貼り付けているんです。
ビショップは重量がありますので、ギャザーバランスを介してレールに取り付けると、ギャザー
バランスごと、重量に耐えられる作りにしなければいけません。
ビショップをレールに直接ぶら下げ、そこに軽量なギャザーバランスをオンという手順にしました。
見た目は自然に全てレールにぶら下がっているように、ビショップの間、ギャザースワッグの後
には、フラットテープを両面テープ(これも強力なの)で取り付け、均等にフックが列ぶように
しています。
今回オープンスワッグがいろんな所で登場していますが、綺麗にお仕立てするのは結構
大変なんですよ。写真は、型を取っている所。
ちょっとした歪みでも、綺麗なヒダが列びません。
見た目の派手さに隠れてしまっていますが、ドレープのジョイント位置や・・・
これ、レースのヒダ。
3重吊りでしたので、什器枠に天付けエスカルゴ。
ハコヒダ、エスカルゴにはアジャスターフックは向きません。
フックの足の厚みが表にポコポコ響いてしまうんですよね。
普通は、スチールフックを使います。
が。
天付けレールでAフックでは、もろにレールが見えてしまうので、
フックは、カン上3cmにしたい。するとアジャスターで対応するしか。
右のフックの足、削っているのわかります?
ハコヒダの表をぽっこり押さないようにフックの足を薄く削っていました。
(展示会仕様です。削った話より、ハコヒダでアジャスタフックはイマイチという話です)
涙ぐましい努力(苦笑