2011/09/26

TOSO-WithCurtains2011:フジエテキスタイルさま

フジエさんの展示解説です。


デザインの解説はヒデキさんのブログこちらをご参照下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/petbottol/52394849.html







見た目のシンプルさとは裏腹におっそろしく手間の掛かったスタイルでした。
タッセルの製作が東京着後という・・・とんでもない結果に。すいません。

先ずは特徴的なスクエアなゴブレット。


このように型紙で試作された物をヒデキ&SHIOさんが作って工場に持ち込み。

細部の寸法を煮詰めながら製作に当たりました。
作り方自体はさほど難しくはありません。

形自体は、ハコヒダの変形であるエスカルゴの要領


角を立てたい部分にステッチを入れて立たせているだけです。

(注意:写真での説明用にこの順番ですが、実際にはステッチを入れた後ヒダ取りです)


写真は試作で2サイズ作った所。
あとは、ワタとピッタリに作った発泡スチロールで型を出しています。





この仕様は、タフタですから綺麗に出来ました。普通の生地ですとココまでカッチリとした
スクエアなゴブレットにはならないかも知れません。
逆にタフタのような生地はふんわりとシワを出したくないスタイルには不向きです。
シワの良さ、ハリ、という長所を改めて感じさせてもらった生地でした。






あとは、バックルの製作なのですが・・・これが手間。
初期のデザインでは、もう少し数が少なかったのですが、製作ワイドとヒダ間の都合上
ヒダ数が少ないと、カーテンをたたんだ時にレールのレース側レールに干渉してしまう。

カーテンがたたまれた時、Aフックの場合はヒダ間のタタミシロがぐっと奥にせり出すので、
壁~レールやレール~レール間の隙間まで計算したほうが、トラブルがありません。
もちろん、見栄えのデザイン・バランスの都合もあるので、見栄えと各構造の都合を、
きっちり把握してデザインと折り合いを付けながら製作する必要があります。

で、ヒダ数も少なめから、ほぼ通常通りの16個と。
バックル1個30分で作っても、それだけで8時間、まるっと1日作業です。
実際には、丁寧に作っているので、もっと時間掛かっています・・・
飾った時のパッと見は自分自身でもそんなに手間そうに見えないんですけどね・・・



ベースになる部分は、プラスチック。今回は、3mmのフォーレックスです。
柔らかいので切りやすく、加工が比較的楽ですので。

超音波カッターで切っていきます。
以前にも紹介しましたが、昔より驚くほど安価になっているので、工作等する方には
とってもお勧めです。
http://www.honda-el.co.jp/industry/usw334.html
本多電子株式会社・超音波小型カッター

板だけでは平面なままですので、肉付け。
こちらは、高発泡ポリスチレンフォーム、アスワンさんのパイピングで使った物の
直径違いです。


必要な分だけカットして~



板に張っていきます。


余分な部分をカットした後。
ツイッターで三枚おろしとか、刺身のツマとか言っていた物ですね(苦笑



あとは、生地を張っていきます。塩ビ用の両面テープを使用しました。
張り方の注意点としては、要所要所は生地を切る前にテープを付けて、テープ部分を
カットするということ。これ壁紙張りの要領に似ているかも知れません。
切り口の断面が綺麗に収まり、生地の場合、ほつれが出にくいです。


ひたすら張っていき…


お仕立てしました。







さて次はタッセルです。

こちらもフォーレックスを使用。これはマストです。
低い温度での熱軟化性が無ければ、この形がすんなり出来ません。


型を取って~(立体の物を平面に置き換える必要があるので、これ結構頭使います・・・


曲げたい角度に,アイロン蒸気を当てて、ぐーっと曲げていきます。




この通り。


厚みを出すために、中身はスポンジを入れてあります。
曲げる部分は、しっかり肉抜きをしないと綺麗に曲がりません。(写真上の方)



仮組をした所。ここから生地を張っていったんですね。







全く目立っていませんでしたが、この両開きのレース。
ちゃんと真ん中分け目が柄合わせされていたって、気がつかれた方いらっしゃっいますか?
こういったベーシックな所も気がついてあげてーーーと、心の叫びです。

普通に作ると耳の分、縫いシロで取られて柄は合いません。
余分に1リピート取るとか、耳位置を計算して左右ひっくり返すとか裁断時に一手間掛けています。










今回、このフジエさんに限らずなんですが、裏地にまで気を使っていらっしゃいます。
フジエさんのこちらは、切り替えの所に黒のバイアステープを入れて。

ジャケットのお仕立ての様に、見えない所もお洒落に。なんですね。









こちらもツイッターでちょっと写真を出していたマグネットタッセル。

これ結局必要無かったのですが、タッセルが大きいので、だらーんっとお辞儀しない様に、
タッセルの中にマグネットを仕込み、もう片方のマグネットで生地をはさんで固定させようかと。
(はさんで固定させた生地にタッセルがぶら下がる形)
写真は、生地を止める側のマグネット作成。
ワイヤーを切っただけでは能が無いので、輪っかになるようにしています。

















タッセルの説明を聞いて悩む私(苦笑