2015/08/27

インテリアデザイナーの住む家 投稿祭その6-4

「インテリアデザイナーの住む家」トーソー出版さん

D'Arc Decoさんの56ページ、その4です。


こちらもトリッキーな仕様を織り交ぜた物。
フラットのコーニスバランスの下にスワッグバランスとなっています。


2種のバランス、合体前の状態。

こちらのコーニスバランス、綿入りです。
しっかり前面へ膨らみを押し出すために、通常は板+ワタが中に入っています。

今回は若干の膨らみで良かった事、またサイズも二間と大きかったので板の代わりにインターフェイスを入れています。




~余談で。
インターフェイスとワタの組合せで時々、前後にカーブさせたコーニスが出来ないか?とお問合せを頂きます。フラットに作って施工時に曲げるという趣旨なのですが、それは出来ません。

生地物で厚みの有る場合、内外周の差はとてもシビアなんです。
ほんの数㎜の厚みでも、曲げた瞬間、生地に大きく響きます。

上記のフラットコーニスをカーブさせてみた写真。

外側は足りない、内側は余る、そんな歪みが出てしまいます。



さてこちらのスワッグも若干ラフにお仕立てです。
崩しの色気なんて出せたら最高なのですが・・・


中央は、いわゆるオニオンスワッグと呼ばれている物。正式な名称はちょっとわからずです。





カスケード(テール)もちょっと変則的な物。


型紙はこうなっています。

角度がこれ以上になる場合は、切り込みではなく扇状に折り目を付けるやり方になります。
その場合は、糸目に対して角度のついた折り目になるので、仕立ての難易度は格段に上がってしまいます。また経年での型崩れの心配も出てきますから、芯地を接着しての対応などとなります。







さて、こちらのフラットとスワッグの組合せ。

生地のみでは、

スワッグのテンションが斜めに掛かりますので、上部のフラットバランスはこのように内側に引っ張られてしまいます。

そこでこのような金具を用意。

こちらもカーテンホルダー同様にステンレスの専用設計、こちらのデザインに合わせた物。
ちょっと分かり難いですが、裏側に仕込んでいます。


骨組みによる補強が無いと、このデザインは出来ません。
サイズが小さければ、端から端まで1本の棒でもOKです。シェード用のウェイトバーの部分を想像して下さい。




ここまで組み上がったらロープで加飾していきます。

デザインを手元に置いて手縫いでの取り付けになります。





そんなこんなで、出来ました。
後に見えている時計の針は・・・モザイク入れときました(笑






デザイン的に繋がっていても、実際に繋げて作るのは非常に困難な部分、例えばこちら

上部のハコヒダはカスケードと一体でデザインされていますが、繋がりの部分にコサージュなどを置いて頂ければ、無理に一体で作る必要が無く、とても有り難いです。

ハコヒダ部分は、全く別のパーツを後乗せでハコヒダのように見せています。







上飾りの話題ばかりでしたので。


シアーの裾は大きくシングルに折った物。
裾の部分は筒状になっています。生地の端をブレードで隠しているという仕様です。



タッセルは、生地現物から色合わせしたハンドメイドの一点物。
http://surreytassel.com/
サリータッセルさん作です。