2011/10/02

TOSO-WithCurtains2011:サンゲツさま

サンゲツさんの展示解説です。


デザインの解説はヒデキさんのブログこちらをご参照下さい。
サテ。

7月に今回のお話を頂いて、最初の打ち合わせをした折・・・


「ゴトー君これできるー?」(この号とは違うんですが

と、見せられたファッション雑誌。しかもパリコレ



「ちょっっっw、インテリアですらねぇwwww」

と、ここで、「話のネタ的にオイシイ」と、「w」を付けて思ってしまうのは、悪い癖な気がします。



後が大変(苦笑





こちらの裾部分です。


先ずは、こんな感じなのかなー???と、三角の生地を沢山作って、
全体のイメージをつかんでいきます。

これ、1ヒダが1枚の三角のパーツを組み合わせているんですよ。
全体の構造、平面に直した型紙が全くイメージ出来なかったので、ブロックを積み上げる様に。

で、今回は、ギャザーテープを使ったスワッグを組合わせて行くかーっと、構造を決定。


在庫の廃盤生地で試作。サンゲツさんの生地じゃなくってスイマセン。


デザインのカーブを正確に再現するために、壁に段ボールでカーブを描いて固定。

三角のパーツ(1ヒダごと)で全体を把握した後、1スワッグ一枚の生地で試作。
ピンワークで全体の形を作っていきました。





試作の生地を広げた状態。もう何が何やら(苦笑


試作の生地から各寸法を割り出して、本番の生地に寸法を落とし込んでいきます。


裾の各パーツはこんな形が組み合わさっていたんですよ。


で、仮組み。計算通り。






フラットフリルとでも言うんでしょうか、リボン状に踊る生地は~


袋、帯状にしたパーツに


アルミワイヤーで型を出しています。

その下、裾は、大きなパフで。


袋状に縫っていくのですが、


縫い止める位置をずらして、ねじった形のようにすることで、不均等、柔らかなヒダが出る
パフになるんですよ。
(写真では、やり方がちょっと分かりづらいかも知れません。)


手芸用のワイヤーもあるのですが、コストパフォーマンス重視でホームセンターの工作用を
今回は使用しています。


パフ部分の型、固定もアルミワイヤー製としました。

服飾で使われるパニエ用のワイヤーも各種取り寄せ試したのですが、カーテンの生地、
生地自体の重量・サイズに合わず。

左が樹脂製、右が鋼線ワイヤーです。








こちらのレース。

サンゲツさん、こんなレース出してましたっけ?なんて言って頂けて(涙


手作りでした。


ボイルをベースに、ジョーゼットを帯状にしたシャーリングフリルを全面という超チカラ業です。

手法自体は難しくは無いのですが、これだけの面積にするとかなりのインパクトに。

ただただ、手間暇掛かっています。



先ずは、帯状にカット。縁は巻きロックにするので、糸目でカットしなければいけません。

生地がジョーゼットで助かりまして、これは切り込みを入れ、手で裂いています。

2mを106本(計算上で。誤差分含め110本用意)


巻きロックで縁を処理した後、平ゴムを伸ばしながら縫い付け。

シャーリングゴムを下糸にセットし、1本叩く仕方が服飾で良く使われる手法?
それも試したのですが、どうもイメージと違うので却下。こちらの方法にしています。

平ゴムの伸ばし加減で、フリルの表情はがらっと変わります。
今回は、2/3程度の長さになるように縮めています。


ひたすらひたすら。


モリモリとフリルにした帯を作っていきます。
予め縮めてフリフリにした状態で、生地に縫い付けていく手順にしています。


綺麗に列ぶよう、チョークリールで目印を。ちょと写真では見にくいですが・・・


またひたすらひたすら。


そうして出来上がったレースでした。


ヒデキさんのブログで3日間と書いてありました補足です。
この3日間は、生地に出来上がったフリルを縫い付けていく期間の部分でして・・・

正確には裁断からパーツの下ごしらえ含めると、丸々「一週間」掛かっています。

もし同じ物を作る・依頼する事をお考えの方がいらっしゃれば、製作の期間は十分にお取り下さい。


この角度で見ると壮観ですね~









制作中の写真を取り忘れてしまったのですが、フラット部分から直接ギャザー縫い付けは
非常に困難です。山が叩かれてしまいますので。

こちらの中央部分ギャザー、今回は別に作って乗せる形とさせて頂きました。









以上で、トーソーウィズカーテン2011製作の解説は全て終了です。

後ほど、まとめの記事をもう1つ書かせて頂いて、今回のお仕事のお話を終わりとさせて頂きます。