2015/08/12

インテリアデザイナーの住む家 投稿祭その2

第二回はこちら。
ダルクデコ木村幸子さんのデザインより

掲載14ページです。


まず目を引くオーガンジーの特大コサージュ。
完全に重力を無視しています(笑

実は作り方はそれほど難しくありません。が、注意点もあります。

チラリと見えている銀色のワイヤーはアルミの針金です。
オビにしたオーガンジーの両端にワイヤーを仕込んでいるので、垂れないんです。


ウェイトチェーン用の巻きロックミシンに、チェーンの代わりにこのアルミワイヤーを突っ込んでですね。
ワイヤーをウーリー糸で直接巻き込んでフチの処理をしているんです。
チェーンと同径のワイヤーとはいえ、過激なミシン使用法なので、写真非掲載です。よい子はマネしないで下さい。



帯状の部材を作ったら、リボンワークのコサージュと同じ作り方をします。
これでも元フローリストです。ハイ。






木村さんのお仕事はデザインを構造に落とし込む部分でも、非常に高いスキルを求められます。


書籍などで紹介された写真1枚で、他の方が「同じカタチを再現して」との縫製屋さんへの注文は、かなり縫製屋さん泣かせに。
現場でのトラブルを回避するためにも、よく構造を理解する必要があります。
ご注意下さい。

上の写真の中身は

こんな構造だったり、

こんな部材を作って。


この部分に

仕込んで。

スワッグの固定。

デザイン物のカーテンは重力との戦いです。
固定する場所をイメージ出来なければデザインと同じカタチの再現は出来ません。


書籍に掲載された写真には写っていない部分で、今回のように見えない所で金属部品による骨組みをしていた、また、実は腰窓で丈の正確さは無視だったですとか、両脇や背面の壁を利用して固定していたなど、見えないトリックが潜んでいる事もあります。







チラリと写真に写っていて綺麗なアクセントになっているこのビーズたち。


タッセルを大量にバラして




カニカンを取付。



で、カーテンなどに仕込んでいます。
カニカンで取り付けなので、クリーニング時には取り外せます。


ちなみにカーテンやバランスにあしらわれているヒダはフリルではなくパフです。
捻ったオビ状になっています。
シュシュの作り方を参考にして下さい。




インテリアデザイナーの住む家について、この投稿の補足です。
木村さんのページのお仕事全てを請け負ってはいません。
他の縫製屋さんのお仕事も掲載されております。