2015/08/19

インテリアデザイナーの住む家 投稿祭その6-2

「インテリアデザイナーの住む家」トーソー出版さん

D'Arc Decoさんの56ページ、その2です。

今回は縫い仕事の話題無し(笑



「このホルダー、何処で手に入れられますか?」と、写真を公開した時にチョコチョコと聞かれました。
施主様が自ら海外で購入された物だそうです。
そうそう紹介するのを前回すっ飛ばしておりました。ごめんなさい。
http://ameblo.jp/royal-garden102/
こちらが D'Arc Decoさんにご依頼なさった今回のお客様。

岐阜の田舎縫製屋ではわからないモノ・コトばかりで・・・・
作る事だけなんとかかんとか、お役に立てられたみたいで、今ではほっとしています。


で、話を戻してこちらのお品、カーテンホルダーではなく、元は壁装用のカメオだったんです。
写真のように、取り付け場所やサイズ、スタイリングに数種類のバリエーションがあります。

「カメオを加工してホルダーに」

ココにも無茶振りデザイナーがいましたよ、エエ。(笑


で、カメオの材質は「石膏」
現物が届く前に写真などの資料でやり取り、仕様の決定をしていたのですが、
「これ石膏っぽくね?(ゴトー」
「ぽいですね?(レーコ」

カタログにgypsum plasterの表記を見つける。
「(;´Д`)(ゴトー」
(ノ≧ڡ≦)てへぺろ(レーコ」

みたいなね、やり取りが懐かしいですよ。
越えられるギリな試練を神様与えるらしいですし、終わってみればそれはたぶん本当。



かなりシビアな仕事になります。


作り方を掲載しますので、必要な方は参考になさってください。


用意するものは、

材料 + スキル +  デス。



モールディングと干渉させず、ギリギリを狙う取り付け位置
カメオのお顔をキズ付けないギリギリのネジ穴
そんなホルダー部分の設計図です。





わりと上手いこと設計できたんじゃないかなと、縫製屋のワリに・・・
金属加工は知り合いの溶接屋さんにお願いしました。
ステンレスをレーザーカットで切り出した物です。


絶対に落ちてこないようにボルト止めです。

ステンレスの平板に半ハンドメイドの石膏ですから、平面が全く合いません。
隙間はあるものとして、ブチルゴムの両面テープを間に入れます。

ブチルゴム、耐候性にすぐれた素材で今回のような平面でピッタリ合わない物にうってつけ。
鉄との接着性はイマイチなようなので、保険でこのテープ間のくぼみにエポキシ樹脂をためて貼り合わせています。あくまでボルト止めが本命ですが、頭上の飾りですから念には念を入れています。





開けた穴はパテ埋めして、ルーターで綺麗にならします。






最後にサーフェイサーをかけて。





上記の図面とは違う箇所ですが、こうして取り付け。
こちらは天井ギリギリまでスワッグを上げられるタイプ。




・ビス穴を消すサーフェイサーをふっても彫りの印象が変わらなかったカメオ。
・形の違う、もう1種類の方は裏に壁掛け用のフックが出ていたので、それを利用出来た。
 (製作の説明は省略しています)
・たまたま割れずに加工出来た。

など、実力以外の要素、たまたま選んで頂いた物が良かったので出来上がった感が非常にある、こちらの話題でした。